40代転職の現実と戦略

採用率がガタ落ちする40代の転職事情|原因と突破口を元CA・採用担当が解説

📅 2026.07.13 ⏱ 読了時間:約17分

「年収上がらないと転職する意味ないよね」
「もう歳だし、年間休日は125日欲しいな」
「週2〜3回リモートできたら最高!」

なんて夢見て意気揚々と転職活動を始めた人も多いのではないでしょうか。もちろん、結果は惨敗ですよね?40代の転職は、そこがスタートラインです。

まず、書類選考の通過率がガクンと下がります。それはなぜか。この記事では、求人広告を700本以上制作、キャリアアドバイザーとして転職支援を行い、採用担当マネージャーを経験した筆者が、40代の転職で採用率が下がる本当の理由と、その突破口を解説します。

40代の採用率がガタ落ちする3つの理由

1

本来ないはずの年齢制限で落ちている

法律上、募集や採用において年齢制限を設けることは原則として認められていません。そのため、求人票の応募資格欄にも対象年齢の記載がないのが一般的です。

しかし実際の採用現場では、明確な年齢制限を設けていることがほとんどです。その上限の多くが「35歳まで」または「40歳まで」なのです。私が利用していたエージェント向けの求人登録システムでは、年齢別の求人件数は以下の通りでした。

年齢上限求人件数(全国)30歳比
30歳まで115,728件100%
35歳まで101,250件87%
40歳まで55,680件48%
45歳まで40,113件35%
50歳まで16,477件14%
55歳まで9,939件9%

20代の転職に比べ、選考対象としてくれる企業が40歳までで約半数に減ります。45歳まででは3分の1。50歳まででは6分の1まで減ります。ほぼ、年齢だけで落ちます。これが現実です。

これを知らずに求人票だけを見て応募すると、「経験も応募資格も合っているのに、なぜ落とされたのか」と悩み続けることになります。

2

職歴の多さが、強みではなく懸念材料になっている

40代であれば、20代より転職回数や経験職種が増えているのは自然なことです。しかし採用側が最初に感じるのは、必ずしも「経験豊富な人だ」という好印象ではありません。転職回数が多ければ、こう思われます。

  • 入社しても、またすぐに辞めるのではないか
  • 人間関係や会社への不満を抱えやすいのではないか
  • 前の会社で何かやらかしたのではないか

さらに、さまざまな仕事を経験しているほど「結局、この人は何が得意なのか」「何を任せるために採用すればいいのか」が伝わりにくくなります。

採用担当者が職務経歴書を読む時間は限られています。最初のわずかな時間で募集ポジションとの接点が見えなければ、その先まで丁寧に読んでもらえません。40代の職務経歴書で必要なのは経歴の多さを見せることではありません。採用企業が求めている経験と、自分の職歴のどこが一致するのかを、一瞬で理解させることです。

3

「扱いづらい」という先入観を持たれている

キャリアアドバイザーとして40代の転職希望者と話していると、前向きな理由で転職を考えている人はそれほど多くありません。多くの場合、こういった理由から転職を決意しています。

  • 上司が話を聞いてくれない
  • 会社の将来性が不安
  • 現在の評価・給与に納得がいかない
  • 聞いていなかった仕事を任された
  • 会社の方針についていけない

問題は、転職先を選ぶ基準が「前の会社での不満の払拭」に変わってしまうことです。残業が少ない会社、自分の意見を尊重してくれる会社、急な仕事を振られない会社……。しかし企業が40代に期待しているのは、整った環境で指示された仕事をこなすことではありません。組織の問題を発見して改善すること、業績を上げるための核となることです。ここに大きなズレが生まれています。

→ 40代の転職で書類選考が通らない本当の理由で詳しく解説しています → 実際に存在する「暗黙の年齢フィルター」も参照してください

40代転職で絶対に知っておくべき現実

転職市場での評価基準は、現職より低い。あなたのすごさなんて誰も知らない。

あなたが今の会社で受けている評価は、その会社の中での相対評価です。長く勤務してきた、業務に詳しい、社内の人間関係を把握している、会社独自のルールや顧客を知っている。そうした蓄積も含めて、今の役職や給与が与えられています。しかし、そのすべてが、ほかの会社でも通用する能力とは限りません。

そもそも今の会社では、あなたがそのポジションにいたため、同じ役割を担う外部人材を募集していなかったはずです。あなたは外部の候補者と比較されることなく、そのポジションを維持できました。

仮に今の会社があなたのポジションを求人として公開し、社外から数十人の候補者が応募してきたとします。より若い人、同じ経験を持ちながら希望年収が低い人、業界経験が豊富な人、より大きな成果を数字で説明できる人。そうした候補者と正面から比較されたとき、それでもあなたが選ばれると言い切れるでしょうか。

転職市場では、その比較が実際に起こります。会社名を出しても、役職を伝えても評価されません。その成果のどこまでが会社のブランドや予算によるもので、どこからがあなた自身の能力によるものなのかを切り分けて説明する必要があります。転職活動を始めた時点で、あなたは今までの社内評価が通用しない市場へ放り出されています。まず、その事実を自覚しなければなりません。

「人材不足だから採用してもらえる」という考え方は通用しない。

企業が採用するのは、人材不足を補うだけの人ではありません。企業に貢献できる人材です。「その仕事ができます」ではなく「御社でこういう貢献ができます」を具体的に示せる人が選ばれます。

よく勘違いする人がいますが、企業はあなたに仕事を手伝ってほしいと頭を下げているわけではありません。あくまで転職というのは、あなたが「入社させてください」と申し出ている側なのです。つまり、あなたが、あなたを商品として企業に営業しています。例えば年間800万円で、私を買ってください、と。私が持っているこのスキルが、御社のビジネスにこのように貢献できるのです、と。

→ 転職市場と自分の意識の乖離が最大の敵で詳しく解説しています → 40代の転職で失敗する人・成功する人の分岐点も参照してください

「入りたい会社に応募する」より、まずは数。

求人サイトの検索一覧から、一社をじっくり選ぶ 企業研究をする 口コミを読む 書類を整える 満を持して応募する 翌日に不採用通知。

よくある話です。40代の転職でこのやり方は危険です。恋愛や結婚の出会いもそうですが、40代になったら、理想の異性を狙い撃ちするよりも、大切なのは出会いの数です。

最初は興味がなかったけど、面接で話を聞いてみたらすごく魅力的な会社だった。ということはいくらでもあります。40代は、あなたの興味や経験に関わらず、年齢や条件だけで問答無用に落とされます。その中で自分にマッチする企業を見つけるには、出会いの数を増やすしかありません。

会ってから断ってもいい。話を聞いてから選べばいい。一社に期待しすぎない。一社に時間をかけすぎない。一社の不採用で、自分の価値を決めない。40代の転職は、出会いの数が命です。

CA経験者が見てきた「決まる人・決まらない人」

✗ 転職が決まりにくい人の特徴

  • 転職回数が多い
  • 1年未満の短期離職経験がある
  • 条件面での希望が多い
  • 実績がない・語れない
  • 年収がそこそこ高い
  • 退職理由がネガティブ

✓ 転職が決まる人の特徴

  • 転職回数が少ない
  • 短期離職が少ない
  • 実績を具体的な数字で説明できる
  • 実績を出した方法まで説明できる
  • 退職理由に納得感がある
  • ネガティブな退職理由を前向きに伝えられる

転職回数が多い・短期離職がある場合、実力とは無関係に書類選考で落とされるケースがあります。これは年齢制限と同じく、現実として受け入れる必要があります。

自分の実績を説明できない人は致命的です。採用担当者は、あなたが経験してきた職種の「業務内容」を知りたいのではありません。その業務の中でどんな実績を挙げた人なのか、またどうやってその実績を挙げたのかを見ています。事業内容や業務内容だけを記載して、職務経歴書を提出していませんか?

退職理由について、面接官も40代の転職者がすべて前向きな理由だけで退職するとは考えていません。ネガティブな事情があるだろうと想定しています。そのうえで見ているのは、それをやむを得ない事情として話す人なのか、無理矢理にでもポジティブに変換して説明できる人なのかです。すべてが順調だったと、自分を大きく見せる必要はありません。次の転職につながる理由として伝えられることが大切です。

→ 40代の転職を成功させた人の共通点で詳しく解説しています

40代の転職を成功させる3つの突破口

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突破口① 自分の棚卸から始める

転職活動の最初にすべきことは、求人を探すことではありません。自分のキャリアの棚卸です。「何をやってきたか」ではなく「何を変えたか・何を達成したか」を整理します。数字で表現できるものはすべて数字にします。「売上向上に貢献した」ではなく「前年比120%の売上を達成した」と表現できる部分を探します。

現在の会社でしか通用しないように見える経験でも、その中身を分解すれば、他社でも評価される強みに変えられます。この棚卸を面倒に感じる人は多いですが、ここを丁寧に行わないと職務経歴書が薄くなり、面接での説明も弱くなります。

2

突破口② 職務経歴書を書き直す

ここで全力を見せなければ、面接には進めません。企業は、あなたがどんな業務を担当し、その中でどういう実績を挙げてきた人なのか、その価値がどのくらいあるのか、それを自社でも発揮できるのかを見ています。

  • 業務内容があっさりしている → NG
  • 実績が書かれていない → NG
  • 再現性が書かれていない → NG

AIを使って作成しても大丈夫。不自然さが残らないレベルまで修正できていれば問題ありません。あなたの実績と再現性、企業とマッチするポイントは必ず書きましょう。

3

突破口③ エージェントを利用して出会える会社を増やす

求人サイトは年齢制限の記載がないから無駄打ちが多い。職務経歴書の書き方がわからない。求人サイトの求人にはほぼ応募してしまった。そんな時に心強いのが転職エージェントです。

転職エージェントでは、転職サイトに掲載されていない非公開求人を多く保有しています。非公開求人はエージェントを通じてのみ紹介される求人で、優良案件ほど非公開になるケースが多いです。また、職務経歴書の添削、面接対策、条件交渉まで一括してサポートを受けられます。

ただし、エージェントに登録しても全員が同じサポートを受けられるわけではありません。この点については後述します。

→ 40代の職務経歴書の書き方で具体的な方法を解説しています → 40代が転職エージェントに登録しても放置される理由と対策も参照してください → 全然決まらない時ほど相談すべき理由も参照してください

転職エージェントのメリット・デメリット

✅ メリット

転職エージェントを利用すると、非公開求人にアクセスできます。転職市場にある求人を幅広く確認でき、自分では見つけられなかった企業と出会える可能性が高まります。職務経歴書の添削や面接対策など、転職活動全体のサポートを無料で受けられます。条件交渉をエージェントが代行してくれるため、年収交渉が苦手な人でも、適切な条件で入社できる可能性があります。

名前を知らないだけでいい会社はある
名前を知らないだけで、あなたにマッチする優良企業は数多くあります。そのため、求人票や口コミだけで判断してしまうのはおすすめできません。実際に面接に行き、社風を確認し、現場の人間と話して初めてわかることの方が多いです。応募の段階で選択肢を絞り込みすぎず、まず内定を獲得した上で比較検討する方法も有効です。

⚠️ デメリット・注意点

転職エージェントはすべての求職者に同じ熱量でサポートするわけではありません。成功報酬型のビジネスモデルのため、転職が成立しやすい人材に優先的にリソースを割く傾向があります。転職回数が多い・希望条件が高すぎるなどの場合、サポートが手薄になるケースがあります。

複数の転職エージェントを利用するのがおすすめ
エージェントごとに保有している求人も、得意な業界も、サポート方針も異なります。1社だけで判断せず、複数の転職エージェントを併用することで、紹介される求人の幅が広がり、自分にマッチする会社と出会える可能性も高まります。

→ 求人票と実態が違う理由で求人票の正しい読み方を解説しています → 転職エージェントに「後回しにされる人」の共通点と対策で業界の実態を解説しています → リクルートエージェントは40代に使えるかでエージェント選びの基準を紹介しています

まとめ

📌 この記事のポイント

  • 40代の採用率が下がる理由は、年齢制限・職歴の多さ・「扱いづらい」先入観の3つ
  • 転職市場では社内評価は通用しない。自分を商品として企業に営業する意識が必要
  • 狙い撃ちではなく出会いの数を増やすことが40代転職の正解
  • 突破口は棚卸・職務経歴書の書き直し・エージェント活用の3つ

40代の転職で採用率が下がる理由は、年齢だけではありません。求人票に書かれていない選考基準・転職回数・職務経歴書の伝え方、これらが複合的に影響しています。

突破口は3つあります。自分のキャリアを棚卸して強みを言語化すること。知名度だけで企業を選ばず、名前を知らない会社にも目を向けること。転職エージェントを活用して、出会える会社の母数を増やすことです。

40代の転職活動で重要なのは、質の高い会社と出会える機会を最大化することです。そのために転職エージェントを活用することをおすすめします。