求人票の裏側

求人票と実態が違う理由|元求人ライターが教える 「信用できる情報」と「騙されない見方」

📅 2026.07.14 ⏱ 読了時間:約9分

📋 この記事の目次

面接で初めて会社に行ったら、求人票に書いてあった内容と全然違った。入社してみたら残業だらけだった。聞いていた年収に全然届かなかった。そういう経験をした人も多いのではないでしょうか。求人票は「嘘をついてはいけない」というルールがあります。しかし「嘘ではないが実態とは違う」情報が書かれていることは珍しくありません。

この記事では、求人広告を700本以上制作し、採用担当マネージャーも経験した筆者が、求人票と実態が違う本当の理由と、騙されない見方を解説します。

求人票と実態が違う理由

まず前提として、求人票を作る人間には3つのパターンがあります。

1

採用担当者や現場責任者にヒアリングして作る

最も情報の精度が高いパターンです。実際に働いている人の言葉をもとに作るため、具体的な仕事内容や職場の雰囲気が伝わりやすい内容になります。

2

過去の求人票を修正して作る

以前使った求人票や他媒体の原稿をもとに、一部を修正して作るパターンです。情報が古いまま残っていたり、他のサイトで使ったレイアウトの名残があったりします。

3

最低限の情報からテンプレートを膨らませて作る

職種名・給与・勤務地などの最低限の情報に、一般的な仕事内容の説明を加えて作るパターンです。採用担当者が忙しすぎて、求人票に時間をかけられない会社に多い作られ方です。

ただし重要なのは、どのパターンで作られたかで、良い会社・悪い会社とは判断できないということです。丁寧にヒアリングして作られた求人票でも、採用担当者の認識と現場にズレがある場合があります。大事なのは作られ方ではなく、求人票の中にその会社にしか書けない具体的な情報が入っているかどうかです。

→ 実際に存在する「暗黙の年齢フィルター」も参照してください

信用しない方がいい情報

求人票を700本以上作ってきた経験から言うと、以下の情報は額面通りに受け取らない方がいいです。

月給の上限・年収例

求人票の給与は「月給〇〇万円〜〇〇万円」という幅で表記されることがほとんどです。しかし上限額は、かなり条件が揃った場合の金額であることが多く、実際に到達できる人は少数です。「能力・経験考慮」という表記がある場合は特に注意が必要です。これは実質的に「最低ラインから交渉次第」という意味で、多くの場合は最低額付近から始まります。年収を重視する人は、最低額で自分が納得できるかどうかで判断してください。

「未経験でも稼げる」

これが書かれている求人票のほとんどは、成果報酬型の営業職です。稼げる人もいますが、稼げない人の方が圧倒的に多いのが現実です。

「先輩が丁寧に教えてくれます」「OJTで安心」

これは求人票の定番フレーズで、ほぼすべての会社に書けてしまう表現です。実際にどんな教育体制があるのかは、面接で具体的に確認しない限りわかりません。

「裁量に合わせて早く帰れる日もある」

裏返すと「早く帰れない日もある」ということです。残業が常態化していても、こう書けば嘘にはなりません。

「待遇改善に向けて頑張っています」

これは今現在の待遇がよくないことを間接的に認めている表現です。改善の具体的な内容や時期が書かれていない場合は注意が必要です。

「アットホームな職場」

これは一概にネガティブな表現ではありません。実際にアットホームな会社もたくさんあります。ただし、これしか書くことがない場合は、職場の特徴を言語化できていない可能性があります。

→ 40代の転職で書類選考が通らない本当の理由も参照してください
CA経験者が厳選した5社を見る

信頼できる情報

逆に、以下の情報が書かれている求人票は、採用に誠実に向き合っている会社の可能性が高いです。

仕事内容が具体的

「営業職として活躍いただきます」ではなく「既存顧客100社への定期訪問と、月3件の新規開拓を担当します」のように具体的に書かれている求人票は、採用担当者が現場をきちんと把握している証拠です。

会社の売上推移・現状が書かれている

業績の推移や現在の課題を正直に書いている会社は、入社後に「聞いていた話と違う」というミスマッチが起きにくいです。

合わない人・向いていない人が書かれている

「このような方には向いていません」という記載がある求人票は、採用のミスマッチを防ごうとしている会社のサインです。

40代・50代の社員の写真や年収例がある

求人票に掲載されている写真は、その会社が採用したいターゲット層を示しています。20代ばかりの写真が使われている求人に40代が応募してもミスマッチになりやすいです。逆に40代・50代が活躍している写真や、勤続年数別の年収例が書かれている会社は、長期的な雇用を前提にしている可能性が高いです。

選考フローが具体的

書類選考→一次面接→最終面接など、選考のステップが明確に書かれている会社は、採用プロセスが整備されています。

→ 求人票の給与上限はなぜ高く設定されているのかで詳しく解説しています

求人票を見る時に確認すべき7つのポイント

1

最低給与で自分が納得できるか

給与の上限ではなく下限で判断してください。上限に届く保証はありません。

2

残業について具体的に書かれているか

「残業あり」だけでなく、月何時間程度・繁忙期はどうかまで書かれているか確認してください。

3

仕事内容に「誰に・何を・どうやって」が含まれているか

一般的な職種説明しか書かれていない求人票は、採用に時間をかけられていない可能性があります。

4

他の媒体や公式サイトと条件が一致しているか

同じ求人が複数の媒体に掲載されている場合、給与や条件が異なることがあります。公式サイトの採用ページとも照らし合わせてください。

5

常時募集していないか

常に同じポジションを募集し続けている会社は、定着率が低い可能性があります。ただし企業規模が大きく採用数が多い会社は常時募集しているケースもあるため、これだけで判断しないことが重要です。

6

画像に自分と近い年代の人が写っているか

求人票に使われる写真は、その会社が採用したい人材像を反映していることが多いです。

7

面接で確認した内容と求人票が一致しているか

求人票の内容を面接で確認し、担当者の回答が具体的かどうかを見てください。曖昧な回答が多い場合は注意が必要です。

それでも求人票だけでは限界がある

求人票をどれだけ丁寧に読んでも、書かれていない情報は読み取れません。実際の職場の雰囲気、上司の人柄、チームの状況、リアルな残業実態。これらは求人票には書かれないことがほとんどです。

転職エージェントを活用すると、求人票には載っていない企業の内情を教えてもらえるケースがあります。企業の採用担当と日常的にやりとりしているエージェントは、求人票だけではわからない情報を持っていることがあります。

また、求人票だけで応募先を絞り込みすぎると、出会える会社の数が極端に少なくなります。求人票は入口に過ぎません。実際に面接で会って話を聞いてから判断する、という考え方が40代転職では重要です。

→ 40代が転職エージェントに登録しても放置される理由と対策で詳しく解説しています → 未経験歓迎でも40代が通らない理由も参照してください

まとめ

📌 この記事のポイント

求人票は「嘘ではないが実態とは違う」情報が混在しています。重要なのは求人票を疑うことではなく、その会社にしか書けない具体的な情報がどれだけ含まれているかを見極めることです。そして求人票だけで判断せず、実際に面接で確認することが40代転職の正しい進め方です。

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